Amazonで割と酷評されてましたが、ボクの中では「岡田さんの本ってみんな、こんなもんでしょ?」という思いが強いです。基本的に本書の大半は、岡田さんが考えたSF的な空想に山形浩生さんが相づちをするという構成。

ここの発想の展開を「バカな空想」と考えるか「面白い発言」と捉えるのかによって、本書の評価は大きく変わって来ます。基本的に、ボクは本というのは、これぐらい突飛でも良いと思っている人です。

本当に理論武装して完璧な展開をするよりも、あ〜ここは良いけど、ここは納得できないな。位で丁度いいと思ってます。


●みんなiPhoneを持って欲しいものが買える。

これは正直、ボクも思っていた節です。基本的に今の世の中に流通しているものの大半は買えます。iPhoneが円高で値上がりしても、携帯キャリアの電話代が8000円を越えても払える。その上で、さらに欲しいものが存在するのか?という疑問。
今の貨幣経済はモノの希少性を前提に成立していますよね。しかし、普通の人がモノを欲しがらなくなると、モノとお金を取引するような経済は縮小していくのではないか。その代わりに、評価の高い人ほど強い影響力を及ぼすことができる社会が来るのではないか。
つまりは、岡田さんがずっと前から言っている=評価経済社会という事です。

●「フリー」は胡散臭い

もし、「フリー」で書かれているように世の中がフリーミアムの方向に向かっているのだとしたら、コンテンツを無料で配布している企業がどんどん成長して、今頃は有料でコンテンツを販売している企業を打ち負かしているでしょう。今の社会の変化は恐ろしく早いですから。だけど、そんな風にはなってません。結局のところ、景気のよい企業がコンテンツを広告代わりに無料で提供しているとか、うまく広告代わりに無料で提供しているとか、うまく広告収入で稼いだ企業があるというだけで、現状の経済モデルから踏み出していないんです。
一時は広告型に移行していたアメリカの新聞業界は「メーター方式」という、簡単に言えばフリーミアム的な手法を取り入れているけれど、つまりは最初は無料で気に入ったらお金を払ってねという事。

Appleのように原価2万円のiPhoneを8万円で売るような強力なビジネスモデルを構築するには、やはり最初からという事が肝心だと思います。まぁジレットは儲かってるみたいですけど、ボクの中ではフリーミアムであれその他であれ、コンテンツや商品そのものが評価される経済が理想だとは思います。つまりは、良いものには対価を払う文化的な?

●格差はお金ではなく、自由の度合いになる。

本書では3つの経済が提示されています。

1.貨幣経済。
2.評価社会経済。
3.自由時間経済。

3つ目がかなり特殊ですが、これは個人的には興味深かったです。例えば、若者にとって大切なのは時間に対する余裕であるという話です。カラオケでオールナイト(=夜から朝まで)で歌ったとか、今日一日何にもしなかった。

つまりは、時間に余裕を持つ事が一種のステータスになっている。ここには、お金や評価の格差ではなく、自由に対する格差がある。たぶん、リア充的な価値観なのでしょう。生活が充実していればかっこいい。人よりも自由がかっこいい。まぁ信憑性は問わないけれど、、。

おもしろいけどねぇ、、、。

というのが率直な感想です。後半は殆ど岡田さんの思考の祭典みたいな感じですが、こういう突飛な発言も時には面白いと思います。購入を検討されている方はそういう本だと思って手にとってみてください。