これはタイトルが完全に勝ってます。本書のタイトルを見ると、日本とドイツを比較して検証しているんだろうなーって考えガチですが、これはドイツに住んでいる著者が日本とドイツを比較してドイツの悪口を言う本です。我々日本人からすれば、「アメリカ=最先端」「ヨーロッパ=素晴らしい文化と環境」と考えるけれど、実は日本の方が優れているよっ!という事が分かります。真実のドイツという視点もでも面白いと思います。
●脱原発の真実。
最近はドイツというと、日本人の中ではソーセージやビールよりも「環境先進国」というイメージが強いです。いち早く脱原発に動き太陽光発電に力を入れる。でも真実は思ったよりも違うようです。実は、ドイツは環境エネルギーには向いていない環境なのです。1年を通して太陽も風もそれほど吹かない。風力発電を洋上に設置するにも海が荒れて深く、安易に建設する事はできない。その一方でドイツは褐炭には事かかない。実際、今のも昔も4割程度が石炭や石油といった化石燃料なわけです。電気代が2倍になるなら環境を破壊してでもいい。そういうドイツ国民も増えているそうですが、ドイツは自然エネルギーであれ化石エネルギーであれ、電力不足とは無縁だそうです。
逆に原発に依存しているフランスが電力不足に陥った時、大量の電気を高値で売却してホクホクだったそうです。
●外国移民とEUと労働。
これが今ドイツを悩ませているようです。EUの誕生によってヨーロッパでは検問が無くなり移動が実質的に自由になったわけですが、逆の意味では賃金の安い労働者が大量に押し寄せている。日本でも移民が議論されていますが、単純作業は低賃金の労働者。高所得職は自国民。その一方で、技術を持たない自国の失業者には仕事が無いという自体が発生しているそうです。大前研一さん何かはアメリカのようにグリーンカード制を導入して、知識と技術のあるものだけに限定しろ。という事を著書で綴っていますが、ある意味で自由の中での不自由がEUでは発生しているようです。
●マイスターになりたくない若者。2度しかチャンスのない社会。
ドイツで有名なものを3つ挙げろと言われたら「1.ソーセージ」「2.ビール」「3.マイスター制度」だと思います。日本と同じで物作りの輸出大国というイメージが強いです。実際、ドイツ車というのは世界的にも有名です。でも最近のドイツの若者はマイスターといった職人にならない傾向があるようです。ドイツは小学生の段階で自分の進む道を決めます。知識で食って行く道、職人として食って行く道。それによって進路が変わるわけです。昔はマイスターに向かう若者が多かったようですが、今ではマイスターを選ぶのは、他国から来た若者という場合が多いようです。
普通の道を選んだとしても前途を厳しくて、大学に入るためには試験を受ける必要がある。日本のセンター試験的なものですが、そこで結果を出さなければ大学に入学する事はできない。しかも、その制度で得られるチャンスは2度までだそうです。
●電車は時間通りに来ません。
これは驚きでした。勤勉で几帳面なジャーマンでも、日本のように、ほぼぴったりの時間に電車が来る事は稀だそうです。著者の娘さんが乗った電車が脱線した時も駅員はその情報を知らなかった。駅員ですら送られて来たペーバーを見る始末。驚き事に切符の払い戻しすら難しい。多くのドイツ国民はそういった場合は払い戻しを諦めるそうです。駅員に聞けばなんでも分かる。きっちり切符を払い戻してくれる。そんな社会は世界で日本だけだという事に驚かされます。
●それでもドイツに住む理由。
結局、著者はドイツよりも日本の方がいいという訳ですが、ドイツはドイツなりの良さがあるわけですよね。やっぱりドイツ車は有名ですし、別に全てが日本のような環境である必要は無い。ただ、盲目的に「日本ってダメよね〜」と思っている人にとっては「あっ日本って凄いんだ」という事に改めて気づかされた本です。
●脱原発の真実。
最近はドイツというと、日本人の中ではソーセージやビールよりも「環境先進国」というイメージが強いです。いち早く脱原発に動き太陽光発電に力を入れる。でも真実は思ったよりも違うようです。実は、ドイツは環境エネルギーには向いていない環境なのです。1年を通して太陽も風もそれほど吹かない。風力発電を洋上に設置するにも海が荒れて深く、安易に建設する事はできない。その一方でドイツは褐炭には事かかない。実際、今のも昔も4割程度が石炭や石油といった化石燃料なわけです。電気代が2倍になるなら環境を破壊してでもいい。そういうドイツ国民も増えているそうですが、ドイツは自然エネルギーであれ化石エネルギーであれ、電力不足とは無縁だそうです。
逆に原発に依存しているフランスが電力不足に陥った時、大量の電気を高値で売却してホクホクだったそうです。
●外国移民とEUと労働。
これが今ドイツを悩ませているようです。EUの誕生によってヨーロッパでは検問が無くなり移動が実質的に自由になったわけですが、逆の意味では賃金の安い労働者が大量に押し寄せている。日本でも移民が議論されていますが、単純作業は低賃金の労働者。高所得職は自国民。その一方で、技術を持たない自国の失業者には仕事が無いという自体が発生しているそうです。大前研一さん何かはアメリカのようにグリーンカード制を導入して、知識と技術のあるものだけに限定しろ。という事を著書で綴っていますが、ある意味で自由の中での不自由がEUでは発生しているようです。
●マイスターになりたくない若者。2度しかチャンスのない社会。
ドイツで有名なものを3つ挙げろと言われたら「1.ソーセージ」「2.ビール」「3.マイスター制度」だと思います。日本と同じで物作りの輸出大国というイメージが強いです。実際、ドイツ車というのは世界的にも有名です。でも最近のドイツの若者はマイスターといった職人にならない傾向があるようです。ドイツは小学生の段階で自分の進む道を決めます。知識で食って行く道、職人として食って行く道。それによって進路が変わるわけです。昔はマイスターに向かう若者が多かったようですが、今ではマイスターを選ぶのは、他国から来た若者という場合が多いようです。
普通の道を選んだとしても前途を厳しくて、大学に入るためには試験を受ける必要がある。日本のセンター試験的なものですが、そこで結果を出さなければ大学に入学する事はできない。しかも、その制度で得られるチャンスは2度までだそうです。
●電車は時間通りに来ません。
これは驚きでした。勤勉で几帳面なジャーマンでも、日本のように、ほぼぴったりの時間に電車が来る事は稀だそうです。著者の娘さんが乗った電車が脱線した時も駅員はその情報を知らなかった。駅員ですら送られて来たペーバーを見る始末。驚き事に切符の払い戻しすら難しい。多くのドイツ国民はそういった場合は払い戻しを諦めるそうです。駅員に聞けばなんでも分かる。きっちり切符を払い戻してくれる。そんな社会は世界で日本だけだという事に驚かされます。
●それでもドイツに住む理由。
結局、著者はドイツよりも日本の方がいいという訳ですが、ドイツはドイツなりの良さがあるわけですよね。やっぱりドイツ車は有名ですし、別に全てが日本のような環境である必要は無い。ただ、盲目的に「日本ってダメよね〜」と思っている人にとっては「あっ日本って凄いんだ」という事に改めて気づかされた本です。