最近、話題の「集団的自衛権」や「憲法9条改憲」などについて、メディアや様々な場所で賛否が分かれてます。結局、前回の選挙は「集団的自衛権」云々はどこ吹く風で、戦後最低の投票率を含めて「アベノミクスで景気が回復しているから、自民党にまだ任せてもいいんじゃね?」という感じで自民が大勝したわけです。基本的に安倍さんは右傾路線を進む事は周知の事実だと思いますが、本書はそれを踏まえて日本の危機を論じているわけです。本書は極論として、赤札ならぬ赤メールが来る時代から来るとまで飛躍してますが、基本的に言っている事は正論だと思います。

ただ、ボクが今回綴りたいのは、「日本が戦争に巻き込まれる」「中国と戦争になる」「テロに襲われる」という事ではなく、日本が戦争が可能になる事に対するメリットです。

安倍さんの言い分では、自分たちの国を自分たちで守れないのは悪い事だ。という主張みたいですが、別にボクはお金を払ってアメリカ軍が日本を守ってくれるのならそれはそれでいいと思います。武器三原則の解釈変更についても、結局、武器輸出で儲かるのは「ナントカ商事」とか「ナントカ重工」だけであって、武器で国が潤うとは思わない。どう考えても、今のふわっとした感じを維持した方が日本にとってはメリットはあるわけです。小泉政権の時の郵政民営化の時に、陰謀論として、郵政民営化の見返りに小泉さんと竹中さんが1000億円貰えるとか、書かれてましたけど、それは本当かどうかは眉唾。ただ、どうも違うっぽいんですよね。

安倍さんが間違った思考を持っているのか、それとも安倍さん個人に利益があるのか?どう考えても、戦争は時代遅れであって、日本にとって戦争化するメリットは薄いように思います。その辺については、深く語られていませんが、集団的自衛権や憲法改憲について、丁寧にまとめられていると思います。ただ、後半の日本への提言については、本当に「自然エネルギー100%」とか「日本の米を世界へ」といったステレオタイプ的な事が綴られていて残念でした。ここはやっぱり元官僚さんなんでしょうね。

結局、これを読んでもボクは明確な答えは出せませんでしたが、入門としては新書でおすすめです。