脚本に恒例の古内一成さんではなく、テレビドラマ『相棒』や『ATARU』を手がけた櫻井武晴さんが担当してます。今までのコナンとはひと味違った作品という事でかなり注目を集めましたね。ただね正直に言うと、うーん、、という感想です。確かに、ミステリーという点で大人なコナンである事は間違いないけれど、大人路線で行ったが故に、劇場版コナンらしさが無い。まぁ興行的には大成功だったのだから、全ては否定はできないけれども、、。こういう戦法はいつまで続くのか。

●あらすじ。

京都・舞鶴湾から出航するイージス艦の体験ツアーに参加する事になったコナンたち。最初には普通にツアーを楽しんでいたコナンたちであったが、船内の排水口に行方不明だった自衛官の腕が挟まっている事が発見され。同じく京都で腕以外の遺体が発見されるわけだが、それをキッカケにイージス艦の情報を盗む「X」と呼ばれる容疑者が船内に潜伏している事が判明する。日本の国家情報とイージス艦の行方が、、。

●感想。

まず最近のコナン映画にありがちなのが、殆ど事後報告っていうね。一見派手なように見えて全然派手じゃない。一昔前のコナンが色々な伏線が交錯しながら事件が解決していく。その上で派手で印象的なシーン。天国へのカウントダウンで言う蘭とコナンがホースで降りるシーンであったり、14番目のターゲットで言う施設まるごと爆破だったりね。

でも本作は推理でも何でもなく、コナンが毛利のおっちゃんの話を盗み聞きする間に何となく事件が解決する。確かに、本作もイージス艦の艦内という設定の妙はあるわけだけど、密室の使い方が非常に下手です。別にイージス艦の艦内である必要はまったくない。少しネタバレになるけれど、最後のあのシーンを演出するためのイージス艦なわけです。蘭がああなって、イージス艦のレーダーと毛利のおっちゃんの名詞がああなってという展開、、。ちょっと強引かな?

コナン初の涙、、という感じは良かったけれど、容疑者Xが誰かという以前に登場人物が殆どいないわけです。一般人で怪しい奴といったアイツしかいないでしょ?普通、5人くらい容疑者がいて「うわ〜この中の誰が犯人なんだろう?」が推理物の醍醐味なわけで、結局はゲスト声優に柴咲コウを起用して、それっぽい宣伝を大量に流す事で興収を上げる。これでいいの?日本のアニメ?と思いました。正直に言うと、あんまり好きではない、、。やっぱり映画ならではの派手さ。たぶん、本作が10年前だったらテレビSPくらいの内容ですよ。子供向けなのか大人向けなのか、、、。