世界を変える人物というのは、時代によって数多く登場しています。悪か善かは別として古くは「ナポレオン」。そして、20世紀では「ヒトラー」。そして、ビジネスに目を向けばIT界ではマイクロソフトの「ビル・ゲイツ」。Appleの「スティーブ・ジョブズ」。Amazonの「ジェフ・ベゾス」。Googleの「ラリー・ペイジ」。Facebookの「マーク・ザッカーバーグ」等などですが、今世界で最も注目を集めるのはテスラ、そしてスペースXの「イーロン・マスク」です。

●死ぬなら火星で。

これが本書で主人公です。彼は、決済サービスの「ペイパル」などの売却によって資金を得て、テスラに出資し、現在では3つの会社を経営しています。普通の経営者であれば、それほど注目は集めないと思いますが、彼がやっている事はお金儲けではないのです。正確に言えば、お金儲けですが、目的は社会を良くする事なのです。テスラで枯渇するエネルギー問題に終止符を打ち。スペースXで人類を火星に移住させる。(※本人談曰く、死ぬ時は火星で死にたい)全ての行動が社会を良くする事に貢献しているわけです。

●全ての出発は失敗から。

ただ全ての事業が順調に進んでいたのか?というと、そうではなくて、テスラでは自家用車を売却し、個人で小切手を切るまで切羽詰まった状況に置かれた。スペースXについても同じで、3回の打ち上げに失敗している。テスラという会社名の由来である、ニコラ・テスラは有名な発明家でしたが、その成果をビジネスに反映される事はできなかった。失敗こそ成功の最短ルートだと言うイーロン・マスク氏、彼が目指すのは世界一のお金持ちなんかでも、裕福な生活でもない。会社を通じて世界をより良くする事。

週100時間働いて、古き良き日本よろしく、社員と切磋琢磨して物事を解決していく。それが多くの人を魅了する秘密だと思います。

ただね、過去に発売された「イーロン・マスクの野望 未来を変える天才経営者」という本を読んでいるボクにとって目新しい事は書かれてません。入手できる資料の範囲でイーロン・マスクが行った事を羅列してあるだけであって、その本を読んでいたらあえて買う事はおすすめしません。本当に、えっイーロン・マスクって誰?という人は新書なのでお買い得ですよ。