ボクは基本的に本は教科書と違うので、固い必要もないし必ずしも正解が書いてある必要は無いと思ってます。極論を言えば、本はお金を出して買うエンターテイメントだとも思います。お固く無難な事を書くのなら、ちょっと過激で突飛な事の方が面白い。藤巻さんみたいに、ハイパーインフレと国家脱出を呼びかけるのはやりすぎとしてもね。

で、本書は簡単に言えば、「日本国家は税金を取る必要はない。消費税も所得税も法人税も無くても税収は確保できる」と謳います。これは故松下幸之助氏も生前に提案していた事ですが、本当にそんな事ができるのか?と、本書を手にとった瞬間は思いました、、。


●日本政府が通貨を発行する。

これは意外と盲点ですが、今流通しているお金は国のお金ではありません。よく見ると「日本銀行券」と書かれている事で分かると思いますが、日本銀行という組織が発行しているお金です。厳密に言えば国のお金ではありません。だから、政府は消費税や所得税を徴収して財政を運営したり、国債を発行してお金を調達するわけですね。じゃあ日本の政府はお金を発行する権限はないのか?というと、実は法律的には日本国家がお金を発行する事は可能です。本書では、日本か誇る資産と企業が持つ内部留保を担保に、その3%の範囲で日本国が通貨を発行すればいいのではないか?と言っています。

これによって、年間で50兆円近い税収を得る事できるので、消費税や所得税は廃止できると言います。

●ハイパーインフレは来ない?

お金を刷る=ハイパーインフレ。これはテレビの影響でしょうが、日本通貨の場合、ハイパーインフレは起こらないと著者は言います。簡単にい言えば、ハイパーインフレは通貨の刷りすぎが原因。第二次大戦後の日本やドイツでもそう。なので、ある程度で刷るのをやめればいいい。

●日本の税金制度が悪い?

日本の財政が悪い理由は確かに少子化や不景気が原因という一因は否めませんが、実は他の先進国と比べて税金の取り方が悪いわけです。例えば、アメリカの税収は日本の7倍近くある。日本の税金はつまりは、高額所得者に有利に出来ているわけです。例えば、所得税の税率は年々下がっているし、ソフトバンクが0.000?%しか税金を払ってないという本も出てますが、税金を殆ど払っていない。消費税に関しても同じで、高額所得者ほど税率が低くなるようになっているわけです。ボクは別に高額所得者から税金をむしりとれ!とは思いませんが、国民がまぁ納得できる範囲で税金を収める必要はあると思います。

消費税がそもそも税金として非効率だという事は事実だと思います。

●内容はともかくエンターテイメント。

まぁ賛否があるでしょうが、発想が面白いですよね。実は、国家通貨というのは世界的にも議論されているそうで、でもどの国も実現していない制度。やっぱり世に何かを問うなら無難な内容より「うわわっっこんな発想なかったわ」という方が面白いわけです。だから、大前研一さんの本が売れているわけでしょ?真面目な大前研一なんて誰が読むの、、。新しい発想を手に入れるには面白い本です。