Google。そう聞けば多くの人が検索であったりメール、そしてSNSを想像するかもしれない。世界最大の検索企業である「Google」。その元CEOであったエリック・シュミットと元Googleの採用担当が書いた企業における人材活用術。こんなの読まない方が損だろっ!


ただし、悪用厳禁という事は忠告しておきます。一般の社員が読んで何か参考になる事は無い。たぶん日本の大手企業でこれだけの福利厚生と明確な人材採用環境を持つ企業は無いと思います。日本でYahooといった企業が社食の無料化を進めてますが、やはりGoogleが世界最強である所以は、人材も世界最強であるという事です。

以下、簡単にまとめておきます。もしこれを読んで「WOW!」と思う箇所があったら購入してみてはいかかでしょうか?

●1.Googleに必要な人材。それは様々な分野において結果を出せる人間だ。

多くの企業が考える事が、一つの分野に長けた人材を採用する事です。例えば、あるコンピューター言語に詳しい人間を採用する。しかしGoogleで採用される人間はそういった人間ではない。別にコンピューター言語が書ける必要はない。必要なのは、状況に応じてその能力を身につけられる人間だと言います。Google流に言うなら「スマート・クリエイティブ」です。これは、ある専門分野に長けた人間ではなく、医師、デザイナー、科学者、映画監督、エンジニア、シェフ、数学者など、場合によって様々な人間に化ける事のできる人材の事です。

●2.採用は慎重に、そして最高の人材を集める。

Googleに入社する事のできる人間は本当に天才的な人物なのだと改めて感じました。CEOのする仕事は多くは意志決定だと思われがちですが、Googleのトップに一番求められている事は人材の採用だと言います。例えば、ある有名企業の幹部として働いていた人物がGoogleの面接にやってきた。彼は当然採用されるだろうと思っていたが、何と創業者セルゲイ氏自らが面接をする。そしてセルゲイ氏言われたのが、「ボクが知らない面白い話をしてくれ」という事。そして彼は、数学の話をするがセルゲイはまったく興味を示さず遊んでいたという。

さらに、Googleの伝説として30回も面接を行って採用しなかったという話もあるそうです。その後、面接は4回までというルールが出来たそうですが、最高の人材を獲得する事こそがGoogle成長の最重要案件なのです。

●3.AmazonとGoogleの70%。

AmazonのCEOで創業者のジェフ・ベゾス氏はこう言っています。「昔は優秀なプロダクトの開発に30%。そして、それを宣伝する事に70%の時間を当てていた。今はそれが逆転している」と、、。

●4.以下、箇条書き。

・社員への情報はオープンに。ただし、全てを公開する必要はない。
・顧客の意見を必ずしも聞く必要はない。
・Google最大の社是は「邪悪になるな」。
・収益の8割を稼ぎ出す事業に8割の労力を使う。(Googleで言うアドワーズとアドセンス)。

●コミニュケーションの基本。

1.そのコミニュケーションは、あなた全員に伝えたい重要なテーマを強調するものか。
2.コミニュケーションはおもしろく、楽しく、刺激的か。
3.コミニュケーションは効果的か。
4.コミニュケーションに心がこもっているか。
5.コミニュケーションは正しい相手に届いているか。

●感想。

最高の人材を集める事。アメリカでも日本でも創業者が全ての意志決定を行っているように見えるけれどGoogleは違う。世界を全て検索にするという理念を元に、世界最高の人材を集める事。それが経営者の仕事であると。ここでは書かないけれど、Googleの中国からの撤退を綴った章を読んで、Googleという企業がお金ではないもっと大切な物を目的に経営している事を痛感しました。あの決断はすばらしい。ただ、本書は自己啓発本のようにすぐに実行できるわけじゃない。多くの凡人については関係のない話だけれど、本としては抜群に面白いものに仕上がっていると思います。