本書のタイトルから連想すると、さぞ「Googleのここが素晴らしい」とか「Facebookのここが革新的的だ」といった事が書かれていると思うけれど、ある意味で健全にまとめられている。これを読んだからシリコンバレーで働けるとか、Googleやアップルに採用される。という趣旨の本ではない事はあらかじめ言っておきます。本書はたぶん若ければ若いほど良いのかもしれない。30代、40代が読んで「さぁ俺もシリコンバレーだっ!」というのは難しいかもしれない。この本はビジネス書のコーナーに置いてあったけれど、就活コーナーに置くのがボクが正しいと思います。

やはりボクは日本の新卒一括採用はおかしいと思いますし、リクナビで100社一括エントリーという手法も不自然だと思います。ただ、アメリカの就活が簡単か?さらにシリコンバレーの就活が簡単か?と問われればまったく違くて、逆に難しい。

ただ、アメリカとシリコンバレーのシステムが優れている点は失敗=終わりという文化ではない事です。本書にも載ってますが、シリコンバレーで起業する会社の数は1万社以上に及ぶ。その99%近くが数年単位で消滅していく。日本だったら借金を背負って一家離散みたいな事が起業のイメージですが、アメリカでは何度もトライする事が当たり前です。

そのためのシステムが整っている。例えば、良いアイディアと技術があれば起業の資金すら必要ない。ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家がお金を用意してくれる。

これは、ちきんりさんの新刊にも書いてありましたが、アメリカでは失敗する人間こそ評価される。つまり、失敗=挑戦した証なのです。

働き方に関しては、本書のタイトルにもあるように自由です。早めに帰っても文句は言われませんし、最近では自宅で作業する社員も増えているそうです。ただ、その分だけ実績に応じて評価される。座ってインターネットを見ているだけで給料が貰える日本の企業とは違います。

本書では全編を通して、シリコンバレー等で働いている方のインタビューと日本人がアメリカで働く方法等が説明されています。もしアメリカで働きたいな〜と思っている方がいたら、この本はまさにバイブルでしょう。書店員の方は是非、この本を就活コーナーに置いて欲しいです。