実は、日本向けでは介護ロボットとの感動的な物語として宣伝されてますが、米国でも本題は「ビッグ・ヒーロー6」でディズニーが買収したマーベルコミックのアメコミが元の作品です。ネット上では「詐欺だっ!」なんて批判されてますが、ボクは正直に言ってどっちでもいいです。たださすがディズニーですよね、たぶん「ビッグ・ヒーロー6」じゃお客さんは入らないでしょう。

これが日本向けのポスター。

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これがアメリカ版のポスター。

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でもボクが気になった点は、これがディズニー映画であるという事ですよね。一見すると、あれこれはピクサーの映画かな?と思いますが、内容は似て非なる物です。ピクサーの作品って現実を投影しているじゃないですか?カーズで言う、高速道路の開発によって閑散としてしまった街であったり、カールじいさんで言う、奥さんを亡くして生きる意味を無くした老人であったり、、。でも本作ではそういった深い世界観がないわけです。確かに、クオリティは抜群です。サンフランソウキョウという日本とサンフランシスコを足して2で割ったような街が舞台になるわけですが、街の風景であったりキャラクターの動きであったり、これは実写ではないのか?という高クオリティ。ただストーリーが強引な印象が否めません。

●あらすじ。

サンフランソウキョウに住む14歳の少年ヒロ・ハマダは、優秀な成績を収めるもののロボットバトルで小銭を稼ぐ日々を送っていた。大学なんて行く意味が無いそう思っていた。しかし、兄が通う大学で出来事をきっかけに「ここで学んでみたい」そう思うようになった。そして入学資格を得るために、ヒロはマイクロボットという小型のロボットを開発した。しかし、発表会当日に会場の火災によって兄は亡くなってしまう。途方にくれるヒロ、そんな時に兄が開発した介護用ロボット「ベイマックス」を発見する。そして、ヒロはマイクロボットを極秘で製造するマスクの男に遭遇する、、。マスクの男の正体、そして彼の目的とは何なのか?

●感想。(※少しネタバレ有り)

ベイマックスの存在意義が問えないという理由だと思いますが、まず率直に言って、兄が死ぬというのがご都合主義ですよね。何か邪魔だから消えました感は否めません。冒頭にも書きましたけど、日本では介護ロボットとの感動物語として宣伝されていたので「死んだ兄の傷を癒しながら成長していく物語かな?」と思っていたら全然違かった。

序盤からドンドン兵器として改造されていくベイマックス。そして兄の友達と協力し、謎のマスク男と戦うわけですが、このマスク男(この男が誰なのかは本編を見てのお楽しみという事で、、)はっきり言って、序盤であいつを殴れよ。というのがボクの率直な感想です。動機は納得できるけど、やっている事は子供の喧嘩と変わらない。確かに、映像は凄いし、最後は「うわっ〜この後どうなるのかな?」というドキドキ感はあるけれど、やっぱりどこか子供向けだから、安全な終わり方にしようという興行的な臭いが消せない。ドラえもんの最終回のように、引き出しを開けたらただの引き出しでした。的なシュールな終わり方を期待してたんですが、、。

アメコミ作品と言われてみれば納得できるけど、介護ロボットの感動作品という括りは間違っているように感じました。