基本的に本書で語られている事は、三橋さんの「本当はヤバイ!韓国経済」を新たに編集した感じです。主張としては似通ってますが、本書の方がより詳細に書かれているという印象です。まず韓国という国に対して特にネット上では批判的な意見が多いようです。ただ、ボクの感想としては「そんなに興味があるの?」という事なんですよね。韓国が嫌いなのは別に主義主張としては自由ですが、嫌いだったら黙って無視すれば済む話では?あえて声高に「韓国は嫌いだ」と叫ぶ必要はない。

三橋さんの場合は韓国が嫌いという事よりも、韓国を題材にすると売れるという出版社の狙いによって書かれているわけであって、本書を読むと分かりますが、別に韓国なんて無視すればいい。経済的にも日本が韓国と離れても問題はない。という感じなんです。

ただ、もし韓国に非常に興味があって反日的な動きや韓国企業に対して不満や怒りがあるのであれば、本書を読めば一通りの事が分かります。

前半では韓国経済について。後半では歴史的な問題について書かれてます。

●韓国の賠償は既に終わっている。

これは冒頭に書かれている事です。ボクは専門家でないので、三橋さんの主張通りに綴りますが、戦争後に日本が払った賠償金が今で言う数十兆円規模。それは鉄道やダムの建設工事費も含めるとです。それは当時の韓国の数年分の国家予算にも匹敵する額であって、それは当時の韓国政府も了承していた事だと言います。最近の韓国はさらに日本への賠償を求めているそうですが、それは間違っていると言います。

●日本が無ければ韓国は成り立たない。

韓国は日本が居なければ困る。日本は韓国が無くても困らない。それが本書の主張です。例えば、サムスンのスマホにしても多くの精密部品を日本の企業に頼っている現状があります。韓国が一見すると輸出で莫大に儲けている印象がありますが、実は付加価値という点では日本からの輸入を含めると、それほど大きな付加価値は生み出していない。この背景には中小企業の育成を怠ったり、財閥が潰した事で国内に製造できるメーカーが存在してない現実があるそうです。

●財閥によって支配された国韓国。

日本では中小や大手を含めて業種によって様々な会社が存在するわけですが、韓国では事情が変わっていて、殆どの産業で財閥が支配力を示しているわけです。筆頭はスマホで有名なサムスン。そしてLG電子。車で言うヒュンダイ。鉄鋼のポスコといった企業もありますが、これを除くと同じ業種では中小企業というものが殆ど存在しない。これは政府の意向によって法人税や規制が緩和された影響もあるそうでずか、それによって韓国国民は価格競争が働かず財閥の良い値で物を買うしか無い。韓国のGDPに占める財閥の比率は2割〜3割程度と言われています。これが少数の財閥によって成り立っている。日本で言うトヨタとソニーと日立でGDPの3割というイメージです。

さらに問題なのが、こういった財閥企業の株主の半数以上が外国人に支配されている事です。サムスンは特に酷くて、海外株主の比率が5割を越えている。つまり、財閥は国民の利益ではなく株主の利益を優先す。さらに悪いのが、創業家が巨額の配当を受け取っている事です。サムスン電子の創業家で言う年間で100億円を越える配当ですよね。これと比べたらカルロスゴーンの報酬なんて安いもんです。

●失業者を失業者とカウントしない。

韓国が発表している失業率は2%台。つまり、完全雇用が実現しているレベルですが、実はそれにはカラクリがあって、韓国では少しでも労働を行えば雇用されていとるカウントされるそうです。日本でもニュース等で話題になる受験戦争ですが、大学に入ってもまともに就職できる学生は有名大学を除けば、少数派だそうで、実際の失業率は10%を越えているそうです。財閥に甘い韓国ですが、国民の仕事にはシビアに対応していると本書には綴られています。アメリカがそうですが、韓国での庶民の間で格差が拡大していて、政府に対する不満が貯まっているそうです。

後半は従軍慰安婦問題等などを扱ってますが、ボクには専門知識が無いので詳しくは本書を手に取ってご覧ください。