エイベックスと言えば、今やエグザイルや浜崎あみゆなどが所属する大手レコード会社です。他のレーベルが海外資本だったのに対して、エイベックスは日本生まれのレーベル。90年代には小室哲哉さんを筆頭に、ヒットを量産した会社です。そんなエイベックスの誕生を語ろう!というのが本書の趣旨なわけですが、はっきり言って残念ですよね。確かに、エイベックスの誕生。それこそ松浦社長の貸しレコード店から始まって、マンションの一室での創業。何も無い所から大手レコード会社に育て上げた。それは良いのですが、本書の内容はエイベックスの履歴というよりも、著者の歴史ですよね。例えば、それが松浦社長の自伝だったら、それなりの価値はありますが、本書は元社員が書いた本だという事です。

で、本書が一番残念だった点は90年代の音楽ブームを語らないという事です。90年代のCDバブル。それこそ小室哲哉=TKブームを語らない。あれほど大量のCDが売れた時代を経験したのに、その生の感じがまったく伝わらないわけです。確かに本書にも小室さんは登場するわけですが、あの時はすごかったよね〜という程度の話。小室さんって実はギターの曲も好きなんですよ、、。どうでもいいわっ!です。結局の所、この本が何を目指しているのか理解できませんでした。例えば、経営者に向けてとか、未来のミュージシャンに対してとか、そういった事が殆どない。とりあえずエイベックスが上場したので書きました。という感じです。古いですが、あえて中古で買う必要も無いかな?という所です。