日本でかつて発表されていた長者番付。その歴史を戦後から現代まで綴ったのが本書です。

ボクは長者番付には縁の無い人間ですし、スタバでキャラメルマキアートを頼めば満足の人間で、それほど金に固執した生活を送ってないです。ただ、こういうのって興味をそそるんですよね〜。というワケで、今回はお金がテーマです。ではいってみましょう。

●感想。

「個人情報の関係で今は廃止されてますが、当時は芸能ゴシップとして情報番組等は「あの○○さんはこれぐらい稼いだ」みたいな事を話題にしてました。アホですよね。今から考えると、名前と住所と納税額が公表されるって、どうぞ狙ってください。みたいな事でしょ?」

「で、本書はそんな長者番付の歴史を戦後の歴史を交えて解説した本です。」

「ただね、個人的にこういう億万長者系の本って意義はイコール夢ですよね。宝くじ理論と似ていて、ボクも私も頑張れば稼げるかもしれないという夢を抱くもの。でも本書はそれを歴史で紐解いてしまっている事がダメなわけです。」

「もしボクが出版社の人間だったら写真付きのムック形式の新書にしますけどね。」

「この本は確かに意義はあるけれど、一番の問題は夢を語らないという事です。確かに、戦後はヤミ市を始まりに、松下幸之助や西武の創業者、そして森ビルの創業者、ソフトバンク筆頭のIT、そしてサントリーやユニクロと続くわけですが、固いです。げんこつせんべいくらい固いです。」

「ある意味で長者番付って難しいんですよね。軽く書くとゴシップだし、固く書くと楽しくない。その線引きが難しい中で本書は後者を選んだわけです。」

「例えば、元西武の経営者でフォーブスで世界一位の富豪として認定された堤義明さん何か、当時の額で2兆円くらいの資産があったわけですが、そこには裏があって猪瀬さんのミカドの肖像なんかがそうですが、実は本1冊かけるくらい裏がある。意図的に赤字を計上して、税金を限界まで削減していたとか、、。その裏が書いてあればいいのですが、割かれているページ数があまりに少ない。」

「本書でボクが面白かったと思ったのは、90年代音楽チャートを席巻した小室哲哉さんの納税額が当時の額で11億円くらい。あ〜あれだけ売れて印税って手元に10億円くらいしか入らないのかという驚きはありました。」

「後半では日本で廃止された長者番付の変わりに米フォーブス誌のデータが載ってますが、日本で1、2を争う富豪であるサントリーの創業者一族。鳥居さん、佐治さんですね。これも裏があって資産管理団体に親族で株を保有していて、サントリーは利益を創業者に、そして支配されない仕組みを作っているわけです。この辺、おもしろのにな〜。」

「はっきり言って、これはネットで過去の長者番付を探して見て、分からなければウィキで調べれば済む話です。一番残念だった点はこの本から夢を感じなかった事です。」

お金と歴史に興味があれば、、。