バードマン。たぶん、この名前を聞いて「あれか!」と思う人は映画通。本作はそんなバードマンを演じた俳優が人生の絶頂から落ち目となりながらも、演劇界で再起をかけた男の物語です。

●あらすじ。


映画シリーズ4作目を断って20年、今も世界中で愛されているスーパーヒーロー“バードマン”。だが、バードマン役でスターになったリーガンは、その後のヒット作に恵まれず、私生活でも結婚に失敗し、失意の日々を送っていた。

再起を決意したリーガンは、レイモンド・カーヴァーの「愛について語るときに我々の語ること」を自ら脚色し、演出と主演も兼ねてブロードウェイの舞台に立とうとしていた。ところが大ケガをした共演者の代役として現れた実力派俳優のマイクに脅かされ、アシスタントに付けた娘のサムとは溝が深まるばかり。しかも決別したはずの“バードマン”が現れ、彼を責め立てる。

果たしてリーガンは、再び成功を手にし、家族との絆を取り戻すことができるのか?

(Amazonより引用。)

●感想。


もの凄く複雑な作品ですよね。全編ワンカットのように見せる演出は「おおっ!」という感じなんですが、いかんせん内面的すぎる。簡単に要約すれば、「思い出のマーニー」の役柄を男にして場所をハリウッドに変えたような作品です。全編通して主人公リーガンは落ち目なわけです。ドアに服を挟まって、ブリーフ一枚で歩く姿をYouTubeにアップされたり元人気俳優、酒に溺れている。

自分の後ろの見えないはずのバードマンがささやく。ビルの上から飛び立とうぜ、、羽ばたこうぜ、、その直後に空を飛ぶリーガンの姿が映る。勿論、リーガンの空想です。そして再起を賭けて大一番。リーガンは役者としての文字通り、命を賭けた演技に望む事になるわけです。演劇でのあるシーンのある場面での演技が人生を変える。

ただ、本作は本当に最後が複雑なんです。少しネタバレをすると、最後に娘が窓の外を見て微笑むわけです。これがハッピーエンドを意味するのかバットエンドを意味するのか。その辺で映画の賛否が分かれると思います。作品としての完成度は高いので、本作はそういった細部の演出を見ると面白いです。