もっと早く読むべきでした。

発売当時は「どうせ自慢話か自己啓発の一種だろう」と敬遠してましたが、凄く良い本でした。実は先日から紹介しているセゾン関連でたどり着いたわけですが、経営の本質や戦略の本質を付いている本だと思います。

無印良品と言えば、良いものを安く高品質でというイメージが強いですが、著者であり無印の会長である松井さんが就任する以前は100億円近い赤字を計上し、周りからは「無印は終わった」と言われていたそうです。

●目次

序章 なぜ無印良品には“2000ページのマニュアル”があるのか―「標準」なければ「改善」なし
1章 売上げとモチベーションが「V字回復する」仕組み―「人を変える」ではなく、「仕組みをつくる」
2章 決まったことを、決まったとおり、キチンとやる―「経験」と「勘」を排除せよ
3章 会社を強くするための「シンプルで、簡単なこと」―「他者」と「他社」から学ぶ
4章 この仕組みで「生産性を3倍にできる」―「むくわれない努力」をなくす法
5章 自分の仕事を「仕組み化する力」をつくろう―「基本」があれば「応用」できる




で、本書の本筋ですが無印には店鋪において2000ページを越えるマニュアルが存在しています。これが本書のタイトルにもなっている「仕組み」の部分です。

ボクが本書を読んで強く思った事は、

「マニュアルは冷たいものではない、温かい事をするための合理化」です。

例えば、マニュアルの定番としてマクドナルドやコンビニが挙げられると思いますが、無印のマニュアルはよりお客さんや店員さんが満足するためのマニュアルなわけです。

それ以前の無印は本当に酷かったそうです。

何か企画を通すためには10個近い管理職の判子が必要であったり、社員同士で縄張り争う。

本書では、ある店鋪の話として

「ある店鋪で陳列が終わった。達成感を感じていると、それを見た上司がこうした方がいいといってやり直し、さらに上の上司が来て変更を要求する」嘘のように話ですが、これが本当に起こっていたらしいです。

それをマニュアルを徹底する事によって改善した。

それによって社員はより顧客満足度を貯める事が出来るようになったわけです。

店鋪にもマニュアルは存在しますが、本社のマニュアルは6000ページを越えるというから驚きです。

・企画書はA4の紙1枚にまとめる。
・判子は3個まで。
・18時30分以降の残業は禁止。

など、合理化する事。形を決める事によって成果は目に見えて変わって来たそうです。

ただ注意しておきたいのが無印はマニュアルを作ったから成功したわけではいという事です。

本の中では殆どのアイディアが他社からのパクリだと名言してますが、無印のマニュアルは幹部が独断で作ったものではなく末端の社員も含めて「無印」が作ったものだという事です。

無駄を排除する事から生まれる余裕。

これが本書を読んで強く思った事です。