最近続いているセゾン関連の1冊です。率直に言って堤清二さん関連では本書がボクの中で一番しっくり来ました。

本書は簡単に要約すれば、ファスト風土化(※造語で、つまりは郊外に巨大なショッピングモールが出来て東京と同じ物を買える状態になる事)に対して危惧しているわけですよね。

それをセゾンと絡めて語ろうと言うのが本書の内容です。

ある意味で懐古主義的な本ですが、本書にも書いてある通りに、アメリカを追った結果、日本的な良さが無くなってしまった・・というのが本書の解なのだと思います。

本書で面白いのがはっきりと「六本木ヒルズ」や「表参道ヒルズ」を批判している事。森ビル的コルビジェ思想の形とも言えるそれに対して批判しているのは面白かったです。


●目次

1 アメリカ型大衆消費社会の終わり(自動車の世紀が一〇〇年で終わる
派遣切り
メディアへの懸念)
2 戦後日本とアメリカ(アメリカ体験
地元への愛着
百貨店とファストフード)
3 無印ニッポン(無印良品は反体制商品
ユニクロと無印良品
セゾンと女性とフリーター
都市・建築・生活)
4 日本のこれから(何が失われたか
シンプル族と最大公約数的な情報
日本の経営再考:地方再建のために)

●感想。

これはボクの余談ですけど、確かにショッピングモールが出来た事で東京の物を買えるようになった。でもその一方で失ったものも大きいというのも事実だと思います。

映画の「3丁目の夕日」で言えば魚屋さんの「奥さん今日は何されます?」みたいな会話が無くなった。それも含めて文化と要約する事もできる。

ただ、その一方でシェアハウスであったり、Facebookであったり繋がりを求めてる欲求は昔よりも強い。ボクはある意味でリアル社会で実現ではい交流。それと、無機質なファスト風土化が拮抗しているのが現代なのでは?と感じました。

ビールをスーパーで買って友達とワイワイやるみたいな感覚ですか?文字通り、20世紀消費社会は終わったわけど、21世紀の消費はAmazonも含めてネットを介在したものになる事は違いないと感じます。

新書で読みやすいので機会があれば・・。