ウォルマートと言えば、世界最大の小売チェーンです。

日本では殆ど馴染みがないですが、年間の売り上げは40兆円を超える。

これは日本最大の企業であるトヨタの売り上げすら超えます。

さて質問ですが、世界一の富豪は誰でしょう?フォーブスが発表する長者番付ではマイクロソフトの創業者であるビルゲイツ氏が不動の一位ですが、実は世界で一番お金を持っているのはウォルマートの創業者一族です。

その総資産は15兆円を超える。

もはや小国の国家予算以上。

たった40年で世界最強の小売を築き上げたサムウォルトンの自伝です。



ボクは正直に言ってウォルマートをそれほど評価してません。

日本で言うとセブイレブンがブラック企業であるように理想の職場ではないのと同じで、徹底的な合理化。そして効率性。

そのためには200万人近い従業員の平均年収が200万円台でも構わないと・・。

ただ、本書を読むと意外にもサムウォルトン氏は強欲主義者では無い事がわかります。

片田舎の小売から始まって、絶えず倹約とした生活を送ってきた。

つまり、ウォルマートが目指す目標は2つです。

1.大量に安価に販売する事によってメーカーと消費者に貢献する。
2.生活必需品を安価に提供する事によって社会に貢献する。


サムウォルトン氏が面白いのが徹底的に他者のいい点をベンチマークした事です。

A店で面白い試みがあればすぐに真似する。特には、他店に行って不審がられた事もある。

2002年にはついにライバルだったKマートを破産に追い込んだ。そして、優秀な社員にも恵まれた事も大きい。今でこそ、世界最強の物流網を持つ(例えば、A店に行ったトラックが帰りにサプライヤーから商品を受け取って倉庫に戻るとか)企業と言われてますが、当時サムウォルトン氏はIT化に対して否定的だった。それは先進性というよりも、その費用がもったいないと思ったから。

そして、サムウォルトン氏が生涯に渡って徹底した事は本書のタイトルにもなっている・・

小さく考える!


という事です。

小さな商店から世界最強の小売りチェーンを築きあげたという功績。

そして、その物語は読者を興奮させるでしょう。

一つ残念なのが、今となっては時代の寵児はウォルマートではなく、Amazonでありホールフーズという点です。

面白かった、おすすめです。